淡々と日々の怪異を記録していきます。
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子供のころ、団地の四階に住んでいた。
一方は壁、一方はベランダに挟まれた部屋の角にテレビがあって、
テレビを観ながら留守番をすることがよくあった。
テレビを観ていると、ベランダも視界に入る。
磨りガラスが、ぼんやりと白く光っている。
視界はあまりよくない、曇り空の日。
見るでもなく見ているベランダを、誰かが駆け抜けていく。
大人の大きさのシルエット。
いつも右手から左手の方に、隣の部屋から何もない方向に、「それ」は走り去る。
団地を引っ越すまでの間に、4~5回は見たと思う。
形は、いつも違った。
同じだったのは、厚みのない影絵と、どこかテンポのズレた走り方。
まるで動いていることの申し訳に、走っているふりをしているだけのような……。
怖くはなかった。
そういうものだと思っていた。
疑問を抱くころには、部屋を変わっていた。
今も「それ」は、あの部屋のベランダを走っているのだろうか。
一方は壁、一方はベランダに挟まれた部屋の角にテレビがあって、
テレビを観ながら留守番をすることがよくあった。
テレビを観ていると、ベランダも視界に入る。
磨りガラスが、ぼんやりと白く光っている。
視界はあまりよくない、曇り空の日。
見るでもなく見ているベランダを、誰かが駆け抜けていく。
大人の大きさのシルエット。
いつも右手から左手の方に、隣の部屋から何もない方向に、「それ」は走り去る。
団地を引っ越すまでの間に、4~5回は見たと思う。
形は、いつも違った。
同じだったのは、厚みのない影絵と、どこかテンポのズレた走り方。
まるで動いていることの申し訳に、走っているふりをしているだけのような……。
怖くはなかった。
そういうものだと思っていた。
疑問を抱くころには、部屋を変わっていた。
今も「それ」は、あの部屋のベランダを走っているのだろうか。
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庵主近況
■平成19年4月29日「怪異録」の移転先として開設
■平成19年5月10日「当世奇異雑談集」として新装
■日々に見聞きしたささやかな怪異を記録していきます。
■不定期更新。次は明日か半年後か。
■FC2ブログの連投制限に耐えかねて逃げて来るかもしれません。来ないかもしれません。
■平成19年5月10日「当世奇異雑談集」として新装
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■不定期更新。次は明日か半年後か。
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